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「希さん…どうしてダイマを殺したんですか?」
もう少し力を込めればジュリはめでたくあの世逝きだというところで、律は希に質問を投げた。
「ん?どうしたの?急に?」
「ダイマは、貴方の部下に撃たれる直前、怒りと困惑の表情で貴方の名前を呟いて、何か言いかけていました」
あの時は、ジュリが律を庇って撃たれた事に動揺していて、おかしな点に気が付かなかった。
「それは、律くん達が危なくなったら容疑者の、なんだっけタダイマ?違うな、ダイマ?を殺すように命じていたからね。律くん達が危ないんだから、話し中でもなんでも撃ち殺しちゃうよ」
「仮にそうだとしても、生き残ったダイマの部下を幹部連中が連れ去る事は無かったんじゃないですか?任務の指揮官である僕や僕の仲間に一言もなく」
「それは、律くん達が忙しかったからじゃないかなぁ…」
「…本当、ですか?」
先程とは立場が逆のやり取り。
「ふふっ、そんな見透かすような瞳をされちゃあ、誤魔化せないなぁ」
希は降参、といったように両手を広げた。
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