最終章

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雇っている信頼する情報屋から、寝に帰るだけのアパートに手紙が届いた。 バーの場所と、時間だけが書かれたもの。 いつも通り、素っ気ない文書だ。 ライターを取り出して手紙に火を付け、灰皿へと捨てた。 手掛かりを求めて、情報屋から以外にももたらされる雑多な情報に振り回されて、闇雲に彷徨ったせいで疲れ切った身体を、床の上に投げ出す。 確かな情報じゃなくて噂や都市伝説みたいなものに無駄な体力を使うなんて馬鹿げていると思うが、それほど、形振り構っていられないのだ。 あれから数年は経っているのに、一向に何も掴めていない。 いくら信頼できる情報屋が居ると言っても、金で雇った人間の協力のみでは、限界がある。 ずっと無視してきた独りでは無理だという頭の片隅から出る警告の声は、大きくなるばかりだ。 少しだけ休むつもりで、床に預けた身体は、指の一本も動きそうにない。 体力には自信があるが、何日も朝も夜も変わらずに動いていれば、やっと休める場所に来て身体が己の意思と真逆の反応を返すのも、当然だ。 眠りたくない、と思いながらも瞼は落ちていく。 指定の時間までには起きろと、自身に言い聞かせて、束の間の眠りへと誘われた。
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