最終章

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「…り…つ」 「何飲むぅ?俺と一緒で良ーい?」 バーテンさんっ、俺と一緒のもう一個ねっなどと人懐っこい笑みで頼む律の姿は、律というよりもまるで希のようだ。 「ほらぁ、早く座りなってぇ。バーテンさんだっていつまでもお客さんに立っていられたら困っちゃうでしょ」 律に促されて座るのは癪だったが、このまま突っ立っていても拉致があかないし、確かにバーテンに迷惑がかかる。 しかし、素直に律の隣には座りたくはない。 木製に革張りの椅子を引いて座る。 「遠慮しないで隣に座れば良いのにぃ、間に椅子一個分空けるなんてぇ、まるで俺たちの心の距離的な?」 「…だったら俺はこの店に居ない」 「あらぁ、さーびぃーしぃーいぃ」 巫山戯た律の言葉など無視してバーテンから酒を受け取って喉へ流し込む。 結構強いカクテルだが、今夜は酔えそうになかった。 空になったグラスをバーテンに渡し、ウィスキーをロックで頼んだ。 「…何の用だ?」 「んー?いやぁ、ジュリちゃんったらそろそろ行き詰まってんじゃ無いかなぁと思ってさぁ」 「……その、バカみたいな喋り方…アイツそっくりで気持ちわりぃ」 「だぁって、この喋り方のほうが色々と都合が良いんだもん。ずっとこの喋り方だったからもう直んないしぃ」 「…勘定を頼む」 ジュリは立ち上がってバーテンへと声をかける。
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