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橋の下には、いくつもの線路が隣り合わせで伸びている。
交わる事もなく、ただ真っ直ぐに伸びたその線路の上を、電車がいくつも走り去って行く。
駅のホームには、スーツを着た男性や制服姿の学生、子供の手を引くお母さん、杖をつくお婆さん、それに買い物袋を持つ女性や旅行バッグを持つ若者がいる。
それぞれがそれぞれの人生の中で生き、家路への電車を待っている。
その光景を、私は何度も見ている。
二度と会う事もないであろう人達を、私は橋の上から見下ろしていた。
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