今日という日

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橋に佇む間、私の後ろを何人もの人が通り過ぎた。 誰も私に関心はなく、私も同じだった。 世界なんて、そんなものだ。 強いて今、私の事を気にするものがいるとするなら、橋にいる一羽の鳩ぐらいだろう。 その鳩は、私をうかがうように付かず離れずを繰り返している。 きっと、餌をもらえると期待しているのだろう。 けれど、私は何も持ってはいない。 何も。
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