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「そういう、自分は手を出さずに一人でするのを見るって設定のアダルトビデオを見たことあるけど、何が面白いのかさっぱりわからなかったよ。宇宙人に連れ去られたっていう設定で、宇宙人に見守られながら女の子が足を開くんだけど、まずグレイ型宇宙人がAV女優を選んで連れ去るってところがリアリティがないよね。あと、今ビデオって言っちゃったけど、ちゃんとDVDだよ。ぼくはそういうときは女の子を見るんだけど、やっぱり男もちょっとは見たいんだよね」
「ツッコミが追いつきそうにないからマジレスするが、だったらそんなの選ばなきゃいいだろ」
「ビニールかかった雑誌の付録だったんだよ。帯刀は動画あんま見ないからいらないって言ってくれたんだ。特集が見たいから買ったらしいけど、それが結構マニアックで、そういうとこかわいいよね」
「その雑誌の名前とその時の特集の内容を教えろ」
「オークションで追加一万出してくれる?」
峯田はにっこりと笑った。浮葉も珍しく笑顔を見せたが、一万追加するくらいじゃ足りないぞ、とだけ言った。
「もうひとりガチでお前を狙っているのが、糸織という女だ」
「誰だっけ」
「春日部さんの愛人の、妖怪の女だ。人間の男が好きらしい。春日部家は夢丘派のヤトナの元締めだ。今は人材派遣の会社になっていたかな。ちなみに、茨木はここの社員だったな」
「あ……そう」
峯田は気まずそうに答えた。今日、こんなことになってしまった試合相手が茨木という妖怪だった。その社長の愛人が自分を狙っていると思うと、不思議に気持ちが悪い。
「でもそれじゃあ春日部さんが怒るんじゃ」
「春日部さんは三人でするのが好きだという話を聞いたことがある」
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