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「ある物で凌ぐしかないか…」
諦めた「彼」は、変身を解いてバイクに跨がる。
「おや、態々変身を解くのかね?」
「向こうで改めて変身しますよ」
スーパー株に跨がって走る、薄緑色のヒーローコスプレをした男性。確実に職務質問を受けるだろう。
ライトを点灯して走ると、すぐに次の扉があった。
『メビウスリングを確認。解錠します』
合成音声が響き、扉が自動で開く。出た先は、人気の無い地下道だった。
この道の先は国有地で、現在使用されていない為ここを通る者はいない。
「えっと…現場がこの辺で、目的地をセットと」
「彼」はスマホの地図アプリに現場を登録する。20分程で現場近くに到着するも、警察が規制線を張っていてそれ以上近付けなかった。
「仕方ない。この辺りで変身するか」
近くにあった公園にバイクを停める。トゥルー・ヤポネの影響か、人の姿は全く見えない。
「メビウスチェンジ!」
念のためにとトイレに入り無人であることを確認した「彼」は、キーワードを唱え変身した。
「待っていろ、トゥルー・ヤポネ!お前らの悪行も今日までだ!」
颯爽と走り去るメビウスマスク。その後、彼はデビュー戦を戦う事となるのだった。
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