誕生!メビウスマスク

9/9
112人が本棚に入れています
本棚に追加
/105ページ
「ある物で凌ぐしかないか…」  諦めた「彼」は、変身を解いてバイクに跨がる。 「おや、態々変身を解くのかね?」 「向こうで改めて変身しますよ」  スーパー株に跨がって走る、薄緑色のヒーローコスプレをした男性。確実に職務質問を受けるだろう。  ライトを点灯して走ると、すぐに次の扉があった。 『メビウスリングを確認。解錠します』  合成音声が響き、扉が自動で開く。出た先は、人気の無い地下道だった。  この道の先は国有地で、現在使用されていない為ここを通る者はいない。 「えっと…現場がこの辺で、目的地をセットと」  「彼」はスマホの地図アプリに現場を登録する。20分程で現場近くに到着するも、警察が規制線を張っていてそれ以上近付けなかった。 「仕方ない。この辺りで変身するか」  近くにあった公園にバイクを停める。トゥルー・ヤポネの影響か、人の姿は全く見えない。 「メビウスチェンジ!」  念のためにとトイレに入り無人であることを確認した「彼」は、キーワードを唱え変身した。 「待っていろ、トゥルー・ヤポネ!お前らの悪行も今日までだ!」  颯爽と走り去るメビウスマスク。その後、彼はデビュー戦を戦う事となるのだった。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!