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「正義の味方も大変なんだな……」
「現実とはそんな物じゃよ。何かをしようとすれば、金がかかるのじゃ」
夢も何もあったものではないが、それが現実である。
「……待てよ、それじゃあトゥルー・ヤポネの連中はどうしてるんだ?奴等の活動資金は何処から出てるんだ?」
「そこから探るのも面白いかもしれんのぅ。まあ、金の流れ等素人には追えんがの」
もしもトゥルー・ヤポネに出資している者が居たとしても、そう簡単に尻尾を掴ませるはずはない。
「それもそうか。俺がやれる事は、奴等を物理的に叩く事!」
「そうじゃな。あっ、スーパー株の燃料代じゃが領収書の添付がなかったぞい」
経費の請求には、領収書が必要。社会人なら常識である。もっとも、一部の政治家にはその限りではないようだが。
「忘れてました。貧乏ヒーローは辛いなぁ……」
「活躍して有名になれば、キャラクターグッズの版権で潤う。それまでの辛抱じゃ」
果たして秘密組織に版権の代金を払ってくれる企業があるかは疑問だが、二人はそこに気付かない。
メビウスマスクが原付から乗り換えられるかどうか、それは誰にもわからなかった。
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