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「本日、最新の技術が取り入れられたオフィスビルが落成式を迎えます。現場を呼んでみましょう」
「はい、こちら現場のユウリです。私は声優の筈なのに、何で現場レポーターをしているのでしょう?
それはさておいて、今日は最新のオフィスビルの落成式が行われます」
テレビの画面には、空色に塗装された真新しいビルの前でレポートする美人が映し出されていた。
湾岸エリアに新しく完成した、最新鋭のオフィスビル。その落成式の様子を中継しているのであった。
「今、東京都知事が姿を見せました。ビルのオーナーの姿も見えます。間もなくテープカットが行われます」
紅白のテープの前に並ぶお偉いさんたち。その手には、金色の鋏が握られている。
「ハーッハッハッハ!我々トゥルー・ヤポネからもお祝いを言わせてもらおう。ご祝儀はこれだ!」
「「「「キィーーッ」」」」
謎の声が響いたかと思うと、空から黒づくめの戦闘員が落ちてきた。
戦闘員は膝を曲げ着地すると、人には目もくれず完成したばかりのオフィスビルに突っ込んでいく。
綺麗な塗装が剥がれ、窓ガラスが割れて落ちる。
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