【嫉妬アレルギー】

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「そうか……ってか、俺と帰るとそんなに嫉妬されるのか。なんか恥ずかしっ」  倉科は自分の頬を両手で、ぴたっと包む。 「そこがポイントではないよ」 「いやいや、一番のポイントでしょう。そうだとすると、俺はいつまでも貴田と帰れない」 「えーと倉科、だから、一緒に帰れない理由を説明したんだよ」  ちょっと調子に乗ってしゃべりすぎたかもしれない。  そのせいで、一番伝えたいことが伝わらなかったんだろうか?  倉科が髪をくしゃくしゃっとかき乱したかと思うと、えーと、と言いにくそうに口を開いた。 「貴田、友だちいないだろ。作らないっていうか、ずっと距離とってるっていうか。何人かと一緒にいるけど、本当の意味で、心開けてない。夏休みの前、それに気づいたんだ。海行っても、祭り行っても、貴田どうしてるかなって、ふっと浮かんできた。だから、学校が始まったら絶対、一緒に帰ろうって決めたんだ」  倉科の言葉に冷や汗が出る。  ああ、マジか。隠れ蓑、ばればれだった。 「あのさ、嫉妬されるのが原因なら、逆にしてみてくんないかな」  彼の身体が、一歩近づく。
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