嫉妬アレルギー

　あの子は、誰だろう。
　なんで、倉科にマフラーをあげたんだろう。
　やっぱり、好きだから？
　告白して、そのときにあげたのかな。
　倉科がそれをしてたってことは、嬉しかったから？

　倉科は、あの子と付き合うのかな。

　マンションまでの景色から、音が消えていた。
　頭のなかで、「バイバイ」というひとことが、こだまのようにぐるぐる回転している。

　私とは、今日で最後のつもりだったのかな。

　まばたきに違和感を覚えたと思ったら、瞳がむずむずしはじめた。
　すぐに猛烈なかゆみを帯びる。
　かゆくてかゆくて、涙が溢れた。

　次に顔。そして手足。
　かきむしったら、血だらけになる。それだけは、我慢した。
　家のドアを開けるときには、全身が熱っぽく、真っ赤になっていた。