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誰に嫉妬されたというんだろう?
こんな惨めなときにまで、やっかむ人がいるんだろうか?
ここまで急速にかゆみが広がるのは、保育園以来、初めてだ。
さぞかし激しい嫉妬に違いない。
もしかして、さっきの女の子? あんなに可愛いのに?
混乱する間にも、恐れていた喉の症状が出てきた。両親はまだ帰っていない。
うめきながら、キッチンの床にうずくまる。
少しずつ喉が詰まり、呼吸をするのが難しくなっていく。
苦しさに、指先が空をかく。
誰だかしらないけど、尋常じゃない嫉妬心。
このままでは、本当に死んでしまう。
冷たい床に、くしゃくしゃになったハンカチが落ちていた。
私の涙で、濡れてしわになって、縮こまっている。
それが視界に飛び込んだ瞬間、はっと気づいた。
誰かに嫉妬されているんじゃない。
私は、私自身の嫉妬で、苦しんでいるんだ。
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