【嫉妬アレルギー】

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◇  初めて、私に症状が出たのは、保育園の遠足のとき。  風邪が治ったばかりの私は、担任のみどり先生に手を引いてもらった。  一番若くて可愛くて、エプロンから、お日様みたいないい匂いのする、みどり先生。  私とふたり、一番後ろを歩いたので、みんなが振り返った。  咳をすると、先生は背中に手を当てたり、さすったりして、 「りなちゃん、だいじょうぶ?」  と励ましてくれた。  それがうれしくて、わざとゆっくり、ときどき疲れたふりをして、立ち止まってみた。  ピクニックコースの遊歩道をただ一周するだけの遠足で、お弁当を食べれば終わりだ。  さあ、帰りましょう、と声がかかり、みどり先生が再び私に手を差し伸べたときだった。  手の甲が、ぽってりと赤く染まっていた。  そのうえ、無性にかゆい。  両手から腕へ、そして肩から背中、腹部へ、見る間にかゆみは広がる。
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