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「でも、こいつらには感謝しているのよ」と五右衛門は意外なことをいった。
「黙って、労働をして「お金」をえてくるからねと」
ミズコシは疑問に思い、「お金とはなんですか」
「うーん馬鹿どもね」と五右衛門は蔑んだ目でみた。
「お金があれば、全部買えるのよ、人の心だってね」
ミズコシには理解できなさそうだった。
「お金のために、こころを売る」
「一体全体どういうことなんだ、この1919地球世界では」
「もう面倒くさいからこの話はやめましょう」
「とにかく、アイツらの前ではお腹がすいたり」
「背中を掻いてほしいときはにゃんにゃん」といっておいて、
「尻尾をあいつらの躰に擦りつけといけばいいのよ」
「特にあのおっさんは家族の中では邪魔扱いされているから」
「私も気を使って、四六時中あいつのことを見ているのよ」
「それで、落ち込んでるな」と思ったら気をつかって、
「ごろごろにゃーん」と声かけを励行しているわ。
「すると、この1919地球世界では、猫が主人で人間は下僕ですか」
69地球世界からきたミズコシはそう結論付けた。
「分かったら、さっさと出ていって」
「私の貴重な寝る時間を奪わないで」と面倒くさそうにいった。
いろいろな人間が住む地球に訪れたがこんなことをはじめてだ。
「猫は非力だし、高等な知能を有しないにから、文明などつくりそうにもないのにな」
誰かがいった。
「パラサイトだ」
「そうかもな」
「違う文明に接すると本当に勉強になる」
とミズコシは呟いた。
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