第一回 下僕

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まだ、大きな難敵があったのだ。 これらの隕石の大親分がいたのだ。 そいつは、小惑星の「ニヒル」と名付けられており、大きさはほぼ地球と同じである。 太陽の引力でちかづいており太陽に近づくに従いそのスピードをグングン上げていた。 その軌道上にちょうど地球と衝突することが約二百五十年前に分かった。 地球ごと無くなるのだ。 多くの人は終末思想に走り、自滅していった。 そして、「生き抜く」という崇高な精神をもつ人類が、なぜか影響を比較的受けにくかった中国に集まった。 人類を統一してこの難敵に立ち向かおうとする力が結集し、北京を中心とした地球政府の樹立なった。 人類の住む現在の地球に適した恒星を探索したところ、最適な星が見つかった。 名称はパラダイスと名付けられたこの星に移住を一刻も実現するのが皆の希望だった。 しかし、現在の人が乗った輸送機関では最高の技術を用いたところでも往復二百年を要する。 しかも人類がこの紫外線だらけの過酷な宇宙環境に耐えることが可能なのかという問題があった。
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