第一回 下僕

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空気がなくても、餌がなくても、水がなくても、摂氏150度以上またはマイナス150度以下の温度でも、生き延びることができる。 そこで、宇宙でも生存可能な「地球最強の生物」クマムシの遺伝子といつまでも生きられるオマールエビの遺伝子を組み入れた超人類を作製した。 ただし、オマールエビはそのままでは永久に成長し、巨大化すると脱皮うまくいかず死にやすい。 そこで、巨大化もせず、脱皮もしない、そして寿命は最大で二百歳で死ぬという細工を施した。 この二項の条件に同意する志願者を集めて、人種や性別は男女関係なく総合能力で判断し、七人の若い男女が参加することになった。 地球滅亡の時が迫っている。 悲愴な思いの中、神舟0号は発射した。 この神舟0号は当初は地球とは密に連絡があった。 紙舟0号に搭乗して、もくもくと任務にあたる頼もしい乗組員の様子が連日、報道された。 そして、地球からの情報も瞬時に伝わり、有名人とも交信したりお祭り騒ぎが続いた。 しかし、時が経過するにつれて任務報告だけとなり、そのうち神舟0号が送ってくる自動情報だけとなった。 果たして、彼らは生きているのだろうか? その疑問はなかった。 遠方にいるため、正確な画像は送ることが不可能となったが、赤外線で見る限り存在し活動をしているようだ。 遺伝子導入して最強の超人類を作製したが赤外線に出てくる物体は五体となっていた。 遺体を宇宙空間に出した形跡があることから、一体は亡くなった様である。
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