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「なぁ、佐藤。俺達、ずっとお前に言いたい事があったんだ。な?」
「お、おぅ……」
「まぁな……」
その行動は全くもって理解出来なかった。
突然神妙な顔つきになった岡田達は、俺を囲んで正座したのだ。
「な、なにかな……」
俺が問うと、岡田がゆっくりと口を開く。
「今まで、たくさん、酷いことしてごめん。ずっと、謝りたかったんだ」
……は?
なにを、
こいつは一体、今何を言ったんだ。
ごめんと言ったのか、今。こいつは。
わからない。
理解できない。
意味がわからない。
頭が真っ白になる。
その間も、岡田はつらつらと何かを言っていた。
「勿論、今更口だけで謝罪なんてうるせーと思ってるかもしれない。でも俺さ、俺達さ、気付いたんだよ。お前も、佐藤も、世界でたったひとつしかない、俺達のクラスの、メンバーだったって。仲間、だったって」
やめろ。
やめてくれ。
そんなの。
「だから、許してくれなくていい。忘れてくれなくていい。ただ、俺達はそう思ってるよ。そんだけ。だから、今日は来てくれて嬉しかった」
「……あ、」
何を、言っているんだ。こいつは。
誰だ。
誰なんだよ、お前。
俺は知らない、こんなやつ。
認めないぞ、認めないぞ。
こんなこと。
お前が、お前達が、俺を滅茶苦茶にしたんだ。
お前らのせいで、俺は!
なのに、なんでいい奴になってんだよ!
なんで爽やかな社会人になってんだよ……!!
これじゃあ、俺が馬鹿みたいじゃないか……!?
俺だけがずっと、過去に依存していただけになるじゃないか……!!
まるでお前達を言い訳に逃げ続けてきたみたいじゃないかっ!!!!
俺はこれから、誰を、何を憎んで生きていけばいいんだ。
わからない。
わからない。
わからない。
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