タイトルは面倒なのでつけません。

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「な、何ですか、突然」 「そーいえばさ、 昨日結婚式に行ってきたんだ」 (え……?) いきなりその話題をそっちから ふってこられるとは思わなくて 内心バクバクしてきた。 「参ったよ、ホント。 なんだって披露宴とかああも長いかねぇ。 知り合ってから今までのエピソードとか、 待ってました~とか思って聞く奴とか いねーだろって事を永遠と語られてもなぁ。 親への手紙も何故わざわざ他人の前で 公表しなきゃならないのか正直意味が分からん。 アレさ、前日までに渡しときゃ良いのにって いっつも思うんだよね、なぁ?」 「さ、さぁ俺は行ったことないから よく分かりません……」 それは本当の意味で監督が退屈で疲れたよ的な 発言なのか、それとも例の友人だったから そう思ったのか、慮るのに一杯で 内容自体が頭に入ってこない。 「……夕べ遅かったんですか?」 「うん、三次会まで連れて行かれそうに なったのを必死で抜けてきたけどな」 「疲れてたところにメールすみません。 無視してもらって良かったのに」 思ってもいない言葉がつい口を出てしまう。 「や、あんだけメールでお叱りを 頂いたらそりゃ返しておかないと後が怖いからな」 監督の軽い冗談じみた言い方さえ 深読みしそうになってる自分がいる。
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