119人が本棚に入れています
本棚に追加
ヤバイ、また話がそれてる。
その件は後回しで良いというか
いっそあやふやなままでいたいというか、
……ハッキリ聞くのが恐ろしい。
で、どう切り出そう。
突然の実家への誘いと、
超存在感を醸し出すお父さんの所為で
あやふやになりかけていたけど、
俺が今日監督に会いに来た目的はこれじゃない。
昨日のメール、意味不明なレスの理由。
昨日の結婚式のこと。
様子がおかしかったことも。
その為に俺は今ここにいるんだ。
「…………あ、その」
なのに、
いざ再び二人きりになったものの
なかなかその話を言い出せない自分に
イライラしてくる。
「どした?何かあった?」
「いえ、特には」
嘘つけ。
聞きたくって仕方ないくせに。
「ふーん……」
俺には聞く権利あるんだ、聞けって。
「あーっと!」
急に出された監督の声に
ビクッと心臓が跳ね上がった。
最初のコメントを投稿しよう!