タイトルは面倒なのでつけません。

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ヤバイ、また話がそれてる。 その件は後回しで良いというか いっそあやふやなままでいたいというか、 ……ハッキリ聞くのが恐ろしい。 で、どう切り出そう。 突然の実家への誘いと、 超存在感を醸し出すお父さんの所為で あやふやになりかけていたけど、 俺が今日監督に会いに来た目的はこれじゃない。 昨日のメール、意味不明なレスの理由。 昨日の結婚式のこと。 様子がおかしかったことも。 その為に俺は今ここにいるんだ。 「…………あ、その」 なのに、 いざ再び二人きりになったものの なかなかその話を言い出せない自分に イライラしてくる。 「どした?何かあった?」 「いえ、特には」 嘘つけ。 聞きたくって仕方ないくせに。 「ふーん……」 俺には聞く権利あるんだ、聞けって。 「あーっと!」 急に出された監督の声に ビクッと心臓が跳ね上がった。
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