憎しみは人を盲目にする。―オスカーワイルド

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送信。送信したあと直ぐに後悔をした。あんなに気持ちの悪い文章を何故送ってしまったのだろう。今頃になって顔から火が吹き出そうだった。その後、何時間経ってもミクからの連絡は来なかった。満男は盛大にため息をつき、景気づけに冷蔵庫から一本の缶ビールを開けた。 喉に焼けるような冷たさが突き抜ける。もう出会い系なんてやらないぞ。そもそもこんなの俺には向いてなかったんだ。満男はどうせなら、下品な言葉や写真でも送って終わりにしようかと考えたが止めた。そんなに執着するのは自分が惨めになるだけだ。結局この日は缶ビールを一杯飲んで寝た。もう二度と、自分の身の丈に合わない事はしないと誓いながら。
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