第3章 嫉妬じゃない、悔しいのよ

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「大した力にはなれないと思いますけど、話だけなら聞きますよ。」 5歳も年下の、しかも社会人になって1年しか経っていない女に、そんな事言われても、部長は笑うかもしれないけど、私の素直な気持ち。 図らずも、無関係ではなくなったんだから、それぐらいしないとね。 「じゃあ、教えてほしいんだが……」 「はい。」 部長と私は、再び歩きだした。 「おまえが好きだったって言う男……」 「尚太ですか?」 「ああ。」 部長には失恋した日に、尚太の事は相談済みだ。 「……倉本と、仲がいいのか?」 「心とですか?」 私は、キョトンと目をパチパチさせる。 「さあ?」 「今朝、一緒に歩いているところを、見たんだ。」 私は、鼻で笑ってしまった。 「一緒にいたところを見ただけで、ヤキモチ焼くんですか?」 どれだけ、心の事を好きなのよ。
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