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「瞳お嬢さま、お身体に障りますからもう休まれてください。」
「後少しだけお願い。このまま見させて。」
私は使用人である優花にテレビのリモコンを取られまいと、大慌てでスカートの中に隠した。
「だって似ているでしょう?
あの方私にそっくりなんですもの。」
テレビに映る金髪碧眼の男性。
自分と瓜二つの顔が今テレビに映っているという現実。
「他人の空似でございましょう。」
「違うわ!絶対に違う!」
「お嬢さま…。」
こんなにも必死になってしまうのは、私にはあまり時間が残されていないからで。
「探すわ。私この方を探すわ。」
誰も私を止められはしないわ。
私は弱い自分に打ち勝ち、自分の信念を貫こうと必死にもがいていた。
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