「アンタに成れたら良いのに」

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 知ってる。  体が弱いから大変な事も。  気持ちが分かるとは言えないけど、大変さは推測くらいは出来るから。  其れでも麗陽になりたい。  1日だけでも良い。寧ろ、1日だけが良い。  麗陽になって、麗陽の大変さを親身になって分かってやりたい。  そうすれば医療知識も相俟って麗陽の役に立てるから。  其れに何より、麗陽になって、でもオレのまま、精一杯感じ悪く振舞ってやるのだ。麗陽が今迄築き上げて、大切にしている物全部、壊すくらいに。  そうすれば月夜に戻った時、オレが麗陽1人の友達になっている。  名実共に唯一の親友に。  だから、だからオレは麗陽になりたいなんて。そんな、いくら友人でも、いくら麗陽でも流石に軽蔑されるだろう本心は飲み込んで。 「其れでもさぁ、麗陽になりたいなぁって思うんだよねぇ」  オレは明るく笑って、誤魔化した。
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