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唯一無二の親友なんて言葉がある。
でもオレは浅ましくも、友好関係を只管に伸ばそうとしている。誰を切ることも出来ない。示してくれた好意切り離すのが怖いとも言えた。
そんな部分、誰かに見られるワケにはいかない。オレの席に頬杖着いて、他の人間に聞かれれば怒られそうな事をつらつら述べている、月夜には尚更。
「麗陽になりたいんだよねぇ」
月夜は其れを口癖の様に言う。
確かに月夜の成績は上位をキープ。オレはトップをキープ。類義の様で大きく異なっているから、其れを羨む気持ちは理解出来なくもない。
しかしあくまで同率1位であっても月夜はトップを狙える実力者で、わざわざオレになりたいと思う必要はないだろう。
そもそもオレは体の弱さから満足な運動は出来ず、体育は見学。無論、月夜の様な運動神経など持ち合わせていよう筈もなく。
オレに変わっても月夜は寧ろ、スペック的にダウンすると思う。
それに、オレは。
オレは、寧ろ、月夜になりたい。
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