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完食して食堂から出た途端にまた、というか今度は歓喜じゃない悲鳴が上がった。
禅「やっぱりな。・・・志乃、そのまま教室戻るか?」
「うん。別に予定ないから午後の授業の準備しとく。禅は?」
禅「俺はちょっと風紀に顔出してくる」
説明してなかったけど、禅は風紀委員なんだ。
入学してすぐにスカウトされてた。
僕はというと委員会には入っていない。
帰宅部が一番だよ。
・・・あれ、部活じゃないから帰宅委員?
禅を見送って廊下を歩いていると、曲がり角で誰かとぶつかった。
「わっ、ご、ごめんなさい」
?「いや、よそ見していた俺が悪かった。こんな華奢な子とぶつかるなんて・・・
怪我はないか?」
「ぼ、僕は大丈夫だす・・・っ///」
噛んだ。恥ずかしい///
?「だすって、クククッ。お前面白いな」
笑われて顔を上げると、そこに居たのはこの学園で有名な最強不良矢神 暁(やがみ あきら)。
その不良が僕の事で笑っている。
・・・すごい光景だ。
矢「決めた。お前俺のモンになれ」
「・・・え?」
矢「クククッ、マヌケ顔。意味分かってなさそうだけど、まぁいいや。
お前に拒否権はないからな。今日の放課後屋上に来い。
来なかったら教室まで迎えに行くからな」
「え、ちょ、はぁぁぁぁぁぁ!?」
それだけ言うと矢神は颯爽と去っていった。
ちょ、待て待て待て、どういう事?
まさか僕、最強不良のあの矢神に気に入られた!?
ま、まさかね・・・
きっと屋上に呼び出して人に見えない所で殴るつもりだ絶対!!
どどど、どうしよう。死んじゃう!!
と、とにかく禅に報告しなきゃ!禅ならなんとかしてくれる、筈。
―プルルルルル―
『お掛けになった電話番号は、現在使われていないか、電源を――』
嘘でしょ!?何でこんなときに限って留守電なの!?!?
もう、禅のバカぁ~グスッ。
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