0人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ
目が覚めると、僕は見知らぬ森に横たわっていた。
━━ここは…どこだ?━━
確か僕は…。
都内の高等学校から帰る途中、その日は随分と疲れていた為、小さなアパート─それでいて内装と外見は綺麗─の中の内2階の209号室にある僕の家に最後の気力を振り絞って、階段を駆け上がった。
やっとの思いで僕は自分の家に着くと、玄関から数歩歩いた所にあるベッドに向かって倒れ込んだ。
それから、何時間経過したのか…。
ええと、今思いつく僕の個人情報を整理してみよう。
僕の名前は神城蓮翔。
10月10日、午前12時00分〇〇総合病院にて、産まれた。
両親は、僕が産まれてから失踪したそうだ。
だから僕は、両親の顔を知らない。
現在は、高校生だ。
僕は高校でクラスでは影が薄く誰にも頼りにされず、友達もいない。
担任でさえも僕を見下してくる。
『お前は、何も出来ないな。』と。
いつもいつも僕が少しミスをする度に言ってくる。
みんなみんな、僕を嫌う。
みんなみんな、僕を避ける。
何でなのか、僕は知らない。
知る由も無い。
でも…。僕は…。
こんなんで…。
こんなんで、生きていて、いいのかな。
そう、思った時だった。
ガサガサガサ…。
近くで草の揺れる音がする。
『何だ…?』
そう呟くと…。
『グアァァァー!!』
最初のコメントを投稿しよう!