プロローグ

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プロローグ

目が覚めると、僕は見知らぬ森に横たわっていた。 ━━ここは…どこだ?━━ 確か僕は…。 都内の高等学校から帰る途中、その日は随分と疲れていた為、小さなアパート─それでいて内装と外見は綺麗─の中の内2階の209号室にある僕の家に最後の気力を振り絞って、階段を駆け上がった。 やっとの思いで僕は自分の家に着くと、玄関から数歩歩いた所にあるベッドに向かって倒れ込んだ。 それから、何時間経過したのか…。 ええと、今思いつく僕の個人情報を整理してみよう。 僕の名前は神城蓮翔。 10月10日、午前12時00分〇〇総合病院にて、産まれた。 両親は、僕が産まれてから失踪したそうだ。 だから僕は、両親の顔を知らない。 現在は、高校生だ。 僕は高校でクラスでは影が薄く誰にも頼りにされず、友達もいない。 担任でさえも僕を見下してくる。 『お前は、何も出来ないな。』と。 いつもいつも僕が少しミスをする度に言ってくる。 みんなみんな、僕を嫌う。 みんなみんな、僕を避ける。 何でなのか、僕は知らない。 知る由も無い。 でも…。僕は…。 こんなんで…。 こんなんで、生きていて、いいのかな。 そう、思った時だった。 ガサガサガサ…。 近くで草の揺れる音がする。 『何だ…?』 そう呟くと…。 『グアァァァー!!』
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