四~決着~

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化け物の行方は誰にも分からず、その答えは森羅万象の向こう側。  長楽館の塀の向こうから、人々の楽しそうな声が聞こえてくる。そう言えば今はお花見どきやった、と塔太郎が腹の底から安堵した時、隣でまさるが崩れるようにしゃがみ込んでいた。 「おい、大丈夫か」 と訊くと、まさるは気だるそうに頷いた。 何日にもわたる変身で霊力が枯渇したのか、疲れたように息を大きく吐くと、そのまま音を立てて元の大へと戻る。 変身が解けた余韻で大の目はまだぼんやりとしており、そんな彼女を前にして塔太郎は一瞬立ちすくみ、ばっと顔を上げて池の方を警戒した。 が、もう何も起こらなかった。 塔太郎は彼女によほど声をかけようかと思ったが、そうこうしている内に下光比賣命が、 「大丈夫? お尻汚れるし、立てたら立ちや」  と優しく案じた時、ようやく大も覚醒した。
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