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女の子と帰っていたあいつ。
勝手に恋してた私。
「ばかばかしい」
心がきゅーっと苦しくなるけど、涙は出ない。
私が恋したあいつは
バレー部のキャプテンで身長も高くオシャレ。性格もよく人気。
そのうえモテる。
付き合ったっていう噂は全く立たないけど...
分かりきってた。あいつと私は釣り合わない。
けど、これが私にとって初めて『恋』っていう感覚を覚えたんだ。
初恋だったんだ。
もちろん小学生の時も中学生の時も好きな人はいたけど、恋愛感情の“好き”じゃなくて憧れの人だった。
高校3年になってから二学期も終わろうとしている。
正直、好きかどうかも今わからない。
けど同じ色のセーターを着てみたりした。
いきなり女子力を高めようとかもしだした。
自分がなんなのか全くわからない。
「ばかばかしい」
そう呟いて、あいつと同じ帰り道だったのを少し遠回りをして
何もかも忘れるように走って帰った。
end.
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