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なんちゃって新選組
ATTENTION!)新選組の時代小説を読んで、勢いだけで書いたもの。そのくせ完結してません。
土方×沖田(女体化、総)。
ちゃっかり明治まで生きて、病も治してしまってます。
沖田さんの正体は近藤さんしか知りません。
新選組は警備隊として見せしめ的に京都で営業中。
でも女である総は入隊を認められず(表向きは病歴のせい)、近藤さんは必死に縁談を探してはくるものの…
史実・時代背景どころか現実を完全無視した創作、どんとこい??と言ってくださる優しい方のみ閲覧ください。
あ、自己責任でお願いします。
「彼は公家の出だからな、きっとお前を幸せにしてくださる」
おそるおそる視線を上げてみると、快活に笑う師の姿があった。
時には上司・父・兄としても慕ってきた男には、この笑顔が一番似合っていると総は確信した。
でも、今は一緒に笑える気分ではなかった。
「なんでも、警護についた時に一目見てお前を気に入ったそうだ。女子と聞いて、いてもたってもいられず、と言われておったぞ」
私はそんな人覚えてないです と言い終わるより先に、物音がした。
聞かれていたのではないだろうか。
「正室…ではないが、こんないいお話は滅多にないぞ?どうする、総」
ここに永倉さんあたりがいたら、一流好きの悪癖が出た とでも言うのだろうか。
それよりも、この話を誰かに聞かれていないかが不安で仕方なかった。
「総、お前がいなきゃこの隊はとっくに終わってたんだ」
戦を切り抜けられたのは、土方さんと斎藤くんのおかげです とは言えなかった。
「お前が一番の剣客だってことを、皆が知ってる」
もう、しばらく聞いていない単語。
たしかに、自分に入隊資格がないことを告げた時、皆が惜しんでくれた。
病歴のせいだと偽るのが心苦しかったのも事実だ。
だからと言って、今更全てを話すつもりはなかった。
「でも、お前は女なんだよ」
そういえばこの人は、皆の前では「沖田」と呼び、決して「総司」と呼ぶことはしなかった。
「器量もいいし、おミツさんに大事に躾けられたことも、俺が1番知ってるんだ」
跡継ぎのいなかった父は亡くなるまで、末娘の自分を嫡男として育てた。
父が亡くなった後、姉が婿養子をとって家を継がせている。
「せっかく病を治したんだ。幸せになって欲しいんだよ」
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