なんちゃって新選組

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それでも、試衛館に住み込み、近藤の反対を押し切って京についてきたのは自分の意思だ。 近藤に認めてもらえるように、何度も先頭だって剣を振るってきた。 町娘の姿に憧れたことがなかったと言えば嘘になるが、後悔をしたことはなかった。 「ありがたきお話ではございますが」 きっと、苦虫を噛み潰したような表情をしていることだろう。 「お断りしとう存じます」 自分の返事のせいで、近藤が、この隊がどんな目で見られるのか、想像するに容易かった。 「そうか」 でも、その声音はすごく優しくて。 「だいたい、妾に欲しいってどういうことだよ」 自分だって女を囲っているくせに、そう言って笑うこの人は、おそらく自分の決断で救われているのだとも思う。 壁に掛けられた新たな隊服(源さんは窮屈だとボヤいていた)を、黒いなと思いながら眺めていた。
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