三話「嫉妬ダウン」

1/2
前へ
/13ページ
次へ

三話「嫉妬ダウン」

 あれからしばらく月日が経った。夏服から冬服に変わった今日のこの頃。 (私は腑に落ちない。萌のように習い事などで試験が平均点ならまだ許せる。冥土は何だ。ゲームをしまくってるくせに一夜漬けと授業中にノートを取らずにガン見するだけで点数が全教科満点ってなんだ。あいつはロボットか何かか。よし、こうなったら全教科八十点以上の私が試験の邪魔をしようかないか)  そう思って前回スマホをマナーモードにしてアラームをかけて椅子の座る位置に置く計画を考えた。ばれないように薄茶色のパッケージを購入して置いてみた。しかしだ、私は気が付いてしまったのだ。スマホがあまりにも座面よりも厚さが厚いので浮いちゃって一回座ったらばれてしまうということ。だから前回は紐を座面に付いている鉄足に二本くっつけて授業始まって五分ぐらいに短く持った紐を引っ張って彼女から椅子から下す予定だった。しかし彼女は空気椅子の格好のまま座っていたのだ。だから私が先生にばれそうになってしまったのだ。あぁ、思い返すだけで憎い。 (今回はあくどいことをしてやったわ)     
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加