1人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「えぇ、あそこでゲーム機をいじくってますわ」
(小型の家庭用ゲーム機とか先生たちに見つかったらどうすんのよ)
桜木先生は彼女の近くに近寄る。
(ほら、見つかった。ちゃんと渡しなさいよ)
冥土は静かに広げられた手のひらにそのゲーム機を乗せる。そして先生は自分が操作しやすい画面に向き直してそのゲームをやる。周りの視線がかなり集まり始めた。注意しに行かなくては。
「先生、見られてます。というか、あんた先生でしょ?」
「いいえ、私は桜井で……おい、めいぃー!!またやってくれたな、これは没収だからな?」
彼女はそのゲーム機を持って教師たちがいる司会用に使用される屋根用のテントに籠ってしまった。
「選手入場」と司会の生徒が言う。
「桜木先生音楽、音楽!!」とそばにいた男子生徒が言う。
マイクの音が聞こえちゃっている。
「おりゃあ!!狩りまくってやるぞ、こらあ!!ったく、運動会なんて見る気も起きねえ」
(先生、だからマイク拾われちゃってるんですって。というか何してんですか?さっきのゲームですよね?というか運動会見ろよ!!あなたのせいでお通夜に向けた百鬼夜行か何かですか!?)
「あっ、めいぃー!!やってくれたなー!!」
最初のコメントを投稿しよう!