二話「嫉妬アップ」

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 そう言いながら音楽が流れる。しかし時はすでに遅かった。私たちはもうお通夜に着いていた。 「止めてください、先生」  司会者がそう言ったので彼女は止めたらしい。 「では、校長先生からの話を」  丸く太った校長先生が前の壇にあがる。シジュウカラという鳥の名前をあだ名に持つ髪型の頂点を我々に見せるかのように下げてお辞儀した。 「皆さん、大変ご迷惑をおかけしました。彼女もまた、生徒たちの運動会を盛り上げるためになさったことですのでできる限り温かい目で見てもらえるとありがたいです。さて……」  校長先生の話を終えて司会者の言う通りに進行が進んでいく。そして体育祭が始まった。 「じゃ、ほのかと萌、玉入れがんばー。私は空でも眺めてるわ」 「いや、うちらを応援しろし。このダメ姉妹」  私たちは玉入れが行われた。赤と黄と青と緑と黒と紫の六チームに分かれて行われた。大きなグランドでやってるため、まぶしい太陽の光が目に入ってきて邪魔をしてくる。それでも私たちの黄色チームの結果は三位だった。  次に徒競走が行われた。私の前を走ろうとしている冥土は男三人と彼女含めた女三人だった。 「はっ、これ、三位確定だわ。だって女は走り方ダサくて上に邪魔があるからのろいもんな」といかにも厳つく速そうな背の高い男子学生が言う。     
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