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「あっ、今のうちに謝った方がいいですよ。放心状態になると思うので……」
「はっ?お前、強がる割には遅そうだよな?」
私は見逃さなかった。彼女のにこやかな悪魔みたいな微笑みを。
そして彼女たちの番が来た。
「よーい、ドン!!」
空気砲が鳴り響く。
「ほら、言わんこっちゃね……」
「私はもう先にいる」
彼らが半分のところにいる時に、彼女はもう一位の旗の列に座っていた。
「おい、あいつら床濡らしたぞ」
「汚っ」
「放心してね?」
私の周りが騒ぎだてる。男三人を何なりと抜かす他の二人。そして何とかゴールまで到着した男三人。彼らの股間が濡れていたことは言うまでもない。そして彼らは一時退場となった。ちなみに私と萌は三位だった。
「萌、後は綱引きとダンスだっけ?」
私たちの午前の種目は終わった。
「うわ、おいしそう。自分で作ったの?」と私は弁当を見ながら言う。
「そうだけど、ただのチャーハンや春巻きたちよ」と冥土は自慢げに言う。
「そういうほのかさんだってうまそうじゃない。まぁ、私はあまり食べすぎると吐くのでおにぎり二つなのですわ」と萌。
「いや、母さんが作ってくれてね」
「そういえば二人は両親に会わなくていいの?」
首をかしげながら聞いてくる萌に冥土は答える。
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