あらすじ

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目覚めるとそこは野外階段の踊り場だった。 隣には今回の相談者がいた。 誰にも見られなくて良かった。 もし誰かに見られでもしたら、通報されかねない。 依頼者と別れた今回の主人公、三川透は内心ドキドキしていた。 透には、というより彼の一族には不思議な力があった。 あの世とこの世を行き来することができるのだ。 彼らはこれを『渡り辺』と呼んでいる。 この力を使って、「死んだ人間に会いたい」と思っている人間の手助けをする。 それが三川家の役目だ。 透はその10代目当主である。 もちろん色々制約もあるのだが。 ある日、三川家に依頼人が現れる。 それは三川が歴史の講師として働いている大学に通っている生徒、桃川聖美だった。 彼女は『渡り辺』の噂を聞き付けてやって来たのだ。 死んだ妹に会うために。 しかし、聖美は男性が苦手で透に触れられるのを嫌がってしまう。 相手に触れないと『渡り辺』の能力は使えない。 前途多難だ。 その後も、聖美の困っている人を放っておけない性格に巻き込まれ、透は様々な人を『渡り辺』によって救うことになる。 そして、『渡り辺』を通して彼らは徐々に成長し、お互いを意識するようになる。 ある日、透のいとこでもある三川美郷(みかわみさと)がやってくる。 美郷は渡り辺の能力を持っているのだが、まだまだ半人前で周りからは中々認めてもらえない。 彼女は自分を認めてもらうために行動を起こすが逆にそれがあの世とこの世を混乱させる事態を招いてしまう。 透は聖美とともに事態を終息させることに成功する。 美郷は反省し、これから真面目に修行することを約束する。 最終的に、透は聖美に好きだと伝え、二人は付き合うことになる。 これは、『渡り辺』という特殊能力を通して、時に涙あり、笑いあり、恋愛ありな展開を繰り広げていく物語である。
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