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愛されている、恵まれている、満たされている……。
そんな他人の様子を垣間見た瞬間、『嫉妬』という名の燻りを大なり小なり感じたことがある人は少なくないだろう。
「愛花(あいか)さまは、いつも心から祝福されますよね。相手を嫉妬する気持ちを持ち合わせることはないのですか?」
「……嫉妬、ですか?」
私自身、特別秀でた能力もなく、抜きん出るような美貌もなく、有り余るほどの財力もなく、他人を羨望のまなざしで見つめることは多々ある方だと思っている。
だが、相手の凄さに感服することや努力に恐れ入ることはあっても、成功者に対して憎むことや妬む気持ちを持つことは一切なかった。
それは、今。
この表彰式の場においても、その気持ちが変わることは一切なかった。
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