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その風景のあらわす意味は、先生たちにも、ぼくたち他の子どもらにもわからなかったのですが、すみちゃん自身はその意味をしっかりと知っているようで、ぽつりとこんなことをつぶやいていました。
ああ、またこの風景を見れてよかった…。
あたしが生まれてきたことの意味、そう、次に見るときは、どう運ばれるかわからないけれども、この手でなんとか形に…。
ひつじ人間…か…。
そうしんみょうにつぶやくすみちゃんに対して、先生たちはあっけらかんとして見つめるだけでしたが、ようむ員のおじいさんは、何か思い出したふうに、ちらと天を見上げたのです。
しばらくもの思いにふけっていたすみちゃんが、われにもどったとき、今度はいきなり、あたりが完全にまっくらなじょうたいになりました。
これは、だれの夢だろう?
ぼくがそう問いかけたときに、そのときはだれも答える者がおらず、ただあたりはしっこくの世界とせいじゃくが続くだけでした…。
…。
今度は、さっきとは正反対に、まっしろな世界があらわれました。
ぼくがちらと横をむくと、うい先生がうっすらとなみだをうかべています。
けれども、うい先生はなにごともなかったかのように、すぐになみだをふきさり、りゅうちょうにしゃべりはじめました。
これは、ありい先生の“ゆめみごこち”の世界ね。
まっしろな世界は、教師としてのかがみ、タブラ・ラサの世界を、夢で体現できるなんて、とてもうらやましいわ。
そう言ううい先生の顔は、そのはきはきとスムーズに語られる言葉とはうらはらに、なんだかかなしげです。
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