落第天使 あらすじ

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。 目覚めたのは天界で『天使』として仕事をしていた若い男。そのはずなのに天使としての姿ではなく、人の姿になって人間界に降り立ったことに混乱していると、男の前に一人の女が現れる。自分も天使だが、人間界に合わせて人の姿をしていると話した彼女は笹嶋美紅(ささじまみく)と名乗った。 笹嶋は男に対して「あなたは『堕天使』になる一歩手前の『落第天使』になった」ことを告げる。落第天使は所謂「神の言うことを真面目に聞かない、人の手助けをしない、仕事ができないだめだめな天使」のことだった。 今まで一生懸命働いてきたのに落第天使になるのはありえないと主張する男に笹嶋は「それが問題だ」と指摘する。 男は過度なお人好しで、他の天使の仕事を肩代わりしたり、頼まれたことは断れないからとトラブルを含む大小様々な仕事を抱えることで有名だった。故についたあだ名は「残業天使」。他人の仕事ばかりをこなすはめになり、自分の仕事が終わらないために残業する日々だったが、それが原因で天界での評価が低くなり、落第天使となってしまったのだった。 理不尽な評価にショックを受けた男だったが、笹嶋は男が落第天使から抜け出す方法を教える。 それは「『余計な仕事』をしないできちんと自分だけの仕事をこなすこと」。 天使の姿のままだと気持ちの切り替えが出来ないため、今回は人間界で『冴木陽(さえきよう)』という人間として働くように神から指令が出たという。 堕天使として地獄で働くことだけは避けたい男、改め冴木は笹嶋の条件を飲んで人間界で働くことにする。今まで様々な仕事を天界でやった冴木だが、今回の仕事は『コンビニ店員』。初めての仕事に四苦八苦する冴木は無事に落第天使から抜け出せるのか。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!