1人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
「それからもう4年、そろそろ5年くらいになるかな。僕達は二人で暮らしてる、2人だけでずっと」
そこで夕陽は、初めて涙を流した。
その涙は頬を伝い、震える握り拳に落ちる。
「夕陽……」
俺は名前を呼びながら、夕陽の肩を抱く。
すると夕陽は、いつも朝陽にしているように強く抱きついて、そしてボロボロと涙を流す。
ダムが決壊したように、止まらない涙を拭わないままで、夕陽の声が響く。
最初のコメントを投稿しよう!