ある冬の日の出来事

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「お前だけは朝陽を信じて待ってろよ!もし結果が出て、それで本当にダメだったら……そしたら、俺が一緒に死んでやる!」 「ほた、る……?」 夕陽は驚いたように目を見開き、小さく呟くように俺の名前を呼ぶ。 視界が歪んでボヤける。 いつから俺まで涙を流していたのやら、うまく呼吸ができない。 でも、思い切り息を吸い込んで言葉を続ける。 「だから、今は朝陽を信じろ。朝陽が帰ってくるって信じてろ。そんで、そんで……笑っておかえりって、言ってやろう?」
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