ある冬の日の出来事

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「あー……取り敢えずお前、飯もまだだろ?」 思わず顔をそらして、そのまま夕陽の手を引き椅子に座らせる。 消毒液や薬品の臭いに満ち満ちたその中は、人もいて、暖房も入っているのに、寒々として鳥肌が立つほどだった。 あるいは清潔に保たれたその空間の壁も、床も、何もかも真っ白だったのがそう思わせたのかもしれない。
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