光と影…

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朝廷と幕府は各所に矢留めの使者を送った。 関東管領の上杉謙信はその指示に従い兵を引いた。 北条氏康も矢留めの指示に従い兵を引いたのであった。 毛利家、大友家も双方同じように矢留めに応じる。 三好家は四国への援軍を段取りしていたが、それを止め朝廷、将軍家の指示に従う… 所が…それが悪手であった。 阿波讃岐が三好家からの独立を表明したのである。 時を同じくして大和の松永家も三好家の傘下を離脱…独立を表明し直ぐ様六角家と同盟を行ったのである。 傘下配下の危機に軍を興さない三好家の当主三好義継に対する不満からの離反だとの事である。 そんな中… 亀井家だけは独立独歩で国の発展に尽力する。 尾張の織田家だけは使者と会う事を巧みにかわし美濃を攻略してしまった。 美濃を攻略するのと同時に北近江の浅井家と同盟を締結させる。 攻略後に朝廷、幕府の使者に会い斎藤道三直筆の「美濃譲り状」まで持ち出して美濃は織田の領地である事を主張… 逆に守護職の任官の斡旋を使者に求める始末であった。 使者は詰問する事も出来ずに京に戻るのであった。 その事が発端となり、再び争いが始まる。 「朝廷、将軍家に事を収める器量なし」と言う事が露呈した結果であった。
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