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「ごめんね。あれ?皆は?」
『あいつらは皆どっか行ったぞ?』
マジか。
「暇だなー。なあゼーレ、なんか楽しいことない?」
『楽しいこと?』
やること無くなったら暇になるから嫌なんだよな。
暇大敵。
『そうだ。そういえばここら辺に、絶景スポットがあったはずだぞ?』
「え、そんなのあるの?行こう、今すぐ行こう!」
『はいはい。分かったから落ち着けって』
落ち着いて居られるか。
『ほら、行くぞ』
そういってゼーレが手を差し伸べてくる。
俺は女じゃないんだけどとか思いながら、その手を取って家から出る。
そのスポットは本当にすぐ近くにあった。
歩いて五分位か。
時計とか無いから分からないな。
スポットに入る前に、ゼーレに目隠しされた。
手を引っ張られ、ゼーレについていく。
『取って良いぞ』
そう言われて目隠しを取ると、そこには一面の花畑が広がっていた。
しかも、ただの花畑じゃない。
もう暗い時間帯なのに、花一つ一つが青白く淡く光っていて明るく、神秘的な風景になっていた。
「・・・凄い。こんなの、初めて見た・・・」
『だろ?この時間帯は、一番綺麗に見えるんだ』
人間界では、こんなの見ることが出来ない。
思わず見とれていると、急に頬に柔らかい感触がした。
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