運命の時

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「うん、いい・・・うわっ!!」 突然、突風が俺達に吹き付けた。 『我がいるのに、他の男を選ぼうとするとはどういうことかね、柚花』 この声は、魔王!? 『せっかく少しの間だけ自由にしてやろうと思ったのに、取り消しだなぁ』 『っ!魔王!!』 『おっと、君は我の軍の一番隊隊長ではないか』 『ユズカは渡さない!』 『そう言われたってなぁ。 柚花はもう我のものだから無理だよ?さっさと諦めたまえ』 「ふざけんな、俺はお前のものじゃない」 『随分と生意気な口を利くようになったもんだ。 お前がそういうなら、我にも考えがあるぞ?』 こいつ、何をする気だ? 『確かお前の弟は、お前に似ていたはずだよなぁ』 「っっ!柚樹に手を出すな!」 『柚花が我のもとへ来ないのなら仕方がないなぁ。 さて、お前の弟を連れて帰るとするか』 「ま、待てっ」 魔王が人間界に行こうとした瞬間、俺はギリギリ魔王の服を掴むことが出来た。
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