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今日もいつも通りベッドで一日を過ごす。
昨日が激しすぎて動けない。
魔王は・・・仕事か。
忙しいのかな。
別に、いてほしい訳じゃない。
ただ、こんな広い部屋に一人でいるのが辛いだけだ。
・・・話し相手が欲しい。
――コンコン――
――ガチャ――
『失礼します』
っっ!
『はじめまして、柚花様。
魔王様の秘書のオスクロです』
秘書さん?
「なんで、ここに?」
『魔王様が柚花様の話し相手になれとおっしゃったので』
アイツは俺の心を読んだのか?
「そうですか・・・」
『あ、敬語は無しでお願いします』
「じゃあ俺にも敬語は無しで」
『分かった。
身体、大丈夫?』
「痛いけど、慣れたから大丈夫」
『本当に?』
「・・・動けない」
『はぁ・・・魔王様は加減を知らないの?まったく・・・』
「どうだろうね」
『そうだ、なんか食べる?
甘いものが好きって聞いたけど』
「そうだけど・・・誰から聞いたの?」
『え?魔王様だけど・・・』
「魔王から!?」
『そうだよ?で、食べる?』
「うーん、貰おっかな。
何も食べなくてもいいんだけど、やっぱりなんか食べたい」
お腹は空かないけど、甘いものは欲しい。
『ちょっと待っててね』
「うん」
ちょっとしてオスクロが持ってきたのは、イチゴのタルトだった。
「うわぁ、すごい旨そう!!」
『ありがとう。
ほら、早く食べて?』
「うん」
一口、フォークで掬って口に入れる。
「っっっ!うまっ」
『本当に!?』
「ああ、すげー旨い。
オスクロが作ったのか?」
『そうだよ』
「スゲーな、こんな旨いもの作れるなんて」
『魔王様がよく作れって言うから・・・』
「ふぅん・・・アイツも甘いもの食べるんだ。
意外だな。
『顔に似合わないよね』
「確かに」
そう言って二人で笑いあった。
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