第二章 初デート予約

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ラーメン屋で店主・東本光一と唇を重ね契約した田中里美は友達以上恋人未満の関係になる事を誓い店を出た。連絡は携帯のメールで行い、今週金曜日に公開する洋画を二人で観に行くことになった。それは、つまり初デートとなる。初めて入ったラーメン屋の店主と、こうして初デートになるなんてドラマの様な展開に里美はハラハラしていた。初デートで見限られてしまうかもしれない。契約破棄をされる可能性だってある。私の血だけで繋ぎとめられるのだろうか。ドキドキよりもハラハラしていた。昼休みになると光一の方からメールが届く。「美里さん、こんにちは。金曜日ですがお店はお昼(ラーメン屋)で終了しますから、美里さんのお仕事が終わったら映画館前に来てください。映画の券は二枚買ってあるので買わなくていいですよ?それから、映画の後は一緒にご飯でも如何でしょうか?ご検討ください。」丁寧なメールと気になっている事を告げてくれる内容に好感度が上がる。容姿端麗だけではないのだな。「承知しました。ありがとうございます。」緊張で会社のメール返信のようになってしまった。光一から直ぐに返信が届き「もっと肩の力を抜いて(笑)」。キュン・・・優しいな・・・光一さん。「ありがとうございます!楽しみにしてますね!」明るめの返信をすると、また直ぐに「そうそう。里美さんは磨けば光る原石なんですからね。僕が磨いて見せますとも!では金曜日に!」とドキッっとするような返信が届く。失恋した後と想えない程、私の心は軽くなっていた。
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