第三章 初デート

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初デートは緊張するので会話をしなくても場が持つ映画デートへ出かけると言われた時ホッとしていた。共通の話題が出来るのも◎だ。もっと言えば映画を観ている様子をチラ見出来る。今回の映画はラブストーリーと言う事もあり、これから恋愛をしようとする私たちにとっても好条件だ。無理に会話をしなくてもいい。映画の後は食事に行くようだし感想を言い合えたりするのも映画の醍醐味だ。光一さんはメールで、こうしたいけどどう?と聴いてくれる。それがまた紳士的で好感度があがる。ワクワクして当日を迎えた。気持ちが高ぶっていたせいか今日一日の仕事がやけにはかどり仕事も早めに切り上げ、会社の制服からデート用にと決めていたワンピースに着替える。待ち合わせまではまだかなり時間が有るのでメイクを直して会社を出た時に光一さんからメールが届く。「お仕事終わった頃かと想ってメールしました。お疲れ様です。映画まで時間が有るのでもしご都合宜しければお茶でも如何ですか?」丁寧で気遣ってくれるメールに胸が高鳴る。「こんばんは。丁度お仕事終わった所なので是非お茶したいです。何処に行けばよいですか?」光一さんが直ぐに返事をくれるので出逢ってから何度もメールしているけれど初デートの今日までに信頼度も高くなっていた。「映画館近くのパンケーキが美味しいお店で如何ですか?並ぶカモしれないと想ってコッソリ予約してあるので、そちらで宜しければ。お店までご案内しますので駅前で待ち合わせしましょう。」親切だなぁ~そして抜かりない。こんなに素敵な人が私を好きになってくれるのだろうか?「分かりました!では直ぐに向かいますね♪」ついついご機嫌モードのメールを送ってしまい馴れ馴れしいと想われたらどうしよう?と不安になっていたら「可愛らしいです♪」とたった一言のメールが届いた。嬉しい反面、こんな私にくれるメールとも素直に受け取れず、慣れてるんだな・・・女性の扱いに、と捻くれたことを考えてしまった。光一さんに溺れていく自分が安易に想像出来てしまう。それでもいい、男性に溺れて願わくば自分にも溺れてくれれば・・・。そんなことを想っているうちに待ち合わせの駅前に到着した。
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