序章&第1話 求めしは勇敢なる者よ

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何故か罪状が『馬鹿』と書かれていても、納得のいく顔立ちと佇まい。故にエルカの興味を引いた。 「ではこれより個人面談を開始する。久礼よ、お主からじゃ。他の者は看守の指示に従い、各自の部屋にて呼ばれるまで待機を。久礼よ、お主はそこに座るがよい」 そう指示されると、久礼は素直にテーブルのある椅子に腰掛けた。そして対峙する様にエルカも椅子に腰掛ける。 「では、まず名前と年齢じゃが…羽賀 久礼19歳に相違無いな?」 「はい、先日19歳になったばかりの羽賀 久礼です!」 自分の置かれている現状を理解していないのか、久礼は元気良く返事をした。 そんな久礼の態度に眉をひそめながらも、エルカは話を進める。 「さて、お主の経歴についてなのじゃがな…この罪状、馬鹿と言うのは一体どう言った事情から記されたのじゃ?」 「え?罪状?馬鹿?それって何の事?」 キョトンとする久礼に、エルカもキョトンとしてしまう。 「いや、お主…自分の置かれている現状を理解しておらぬのか?今、お主は、流刑囚として、ここに連れて来られたのじゃぞ!?」 「え?何で?僕は何も悪い事なんかしてないよ?」 …何かがおかしい。話が噛み合わない。そこでエルカは順を追って話を聞いてみた。 「久礼よ、お主の出身は?」     
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