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「はい、ジパァングの紐手山にある紐手村の出身です!そこで農家を営んでました!」
「ふむ…ジパァング出身じゃが、サムライでは無いと。で、何が故に農家の倅がこの様な場所に連れて来られたのじゃ?」
「えっと…まず、僕は農家の三男坊でして、家を継げるのが長男の架礼兄さん何ですよ。次男の喜礼兄さんは同じ村の娘っ子のトコに婿入りして、残った僕も婿入りをと思ったのですが…生憎と小さな村で、結婚相手が見つからなかったんですよ」
小さな村だからでは無く久礼が女にモテないから、相手が見つからなかったのではないのかと、そう思ったエルカであったが…話しの腰を折るのもどうかと思い、そのまま黙って話を聞いた。
「結婚相手が見つからなくて途方に暮れましたが…それでも自分は諦めませんでした!そう、都に出向いて職探しと嫁探し、同時に行おうと決意したんです!」
「成る程。故郷に居場所が無くなり、都会に出れば自分の居場所を見つけられると思った訳じゃな?」
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